日々の潭より
※タイトルはね春からいただきました


過ぎ去る秋風 蔓延る曇天
息をする胸が少しつっかえて
過ぎ去る人波 ざわめく教室
遠巻きに眺め逃げ込むモニター

ぐらつく車外の景色は存外味気なく
刻一刻と迫る帰り道にさえも
安息なんて霞んで見えた

もう精一杯だって つらいって嘆いて
それで済むのならそれが良かったけど
明日まで生きていたって何が変わる? って
問いつめ続けて眠りについてく

錆びたナイフの刃 高いベランダの柵
見つめるばかりでやがて雲が晴れて
生きたいと叫んで死んでった大勢が
後ろ指差した ただ目を背けた

祈りを抱いたわけでも悲しいわけでもなく
刻一刻と迫る明日は何人が
生きようと足掻くのだろう

もう生きていたって命の無駄だって
何もできないのに何もしてないから
必死に生きている人へ渡してほしいんだ。
こんな僕にはさ、いらないと思うんだ。

もうなんだったって記憶は薄れて
死にたいって思っても生きようって思っても
何も残せないって虚しいって嘆いて
それで済むのならそれもいいかなって。



▲  ▼